認定ＮＰＯ法人アンビシャス　ほのぼの日誌

「生きていること」

　難病と診断され、誰も知らぬ死への恐れと絶望を感じつつ、患者さんの相談も受けているが、出来る事は少なく、全ての患者さんの声を聞くことすら難しい。でも、私達は生きている。生きていることへの、自覚と感謝を伝えたい。

クローン病とともに生きていること。
お腹が空いていること。
太陽がまぶしいこと。
関節が痛いこと。
モーツァルトを聞いていること。
微熱があること。
メールの返事をサボり待たせること。
眠れない夜、起きられない朝。
アリの行列をみて、自分を探すこと。
自信をもって給料をもらえること、
自覚してローンを払えること。
流れる雲は、どこから来たのか、
巡り巡って僕のオシッコも混じっているはず。
好奇心が収まらないこと。
病気を忘れていたのを思い出したとき。
忙しく吐き出すようにため息が出ること。
「ありがとう」って言われたこと。
おっぱいが恋しいこと。
期限が迫って息ができないこと。
やっとたどり着き、無事排尿できたこと。
秘密にできる仲間ができたこと。
ただ眠る子供の顔を見ていること。
安心して話せる人ができたこと。
交通事故にも、運良く出会わないことを幸せと感じること。
夏でも熱い緑茶を飲んでいられること。
データが消えて頭を抱えること。
映画の主人公になりきれること。
食事制限のある身なので、宴会に出かけるのは、非常に面倒でだけど、始まると終わるのが寂しくなること。
経腸栄養剤でなく母ちゃんの味噌汁を飲むことができること。
いつもの習慣に流されていること。
世間の変化に対応していけていること。
誰もやっていないことをやること。
イビキをかいていること。
貝になってしまっても“ゆでれば開く”こと。
遺されてしまったこと。
目が見えなくなるということ。
耳が聞こえなくなるということ。
冬でも冷たい水を浴びること。
思いっきり、思い込むこと。
後悔しないで、すっぱりと忘れること。
芝刈りの香りが、心地よいこと。
自分だけ世界の端っこにいるかも、と感じること。
地球を顕微鏡で見るということ。
なぜか英語を勉強していること。
沖縄が好きだけど、最悪なことは多く、やるべき課題がおおいということ。
褒められたいから、頑張っていけること。
今やっていることは正しいことかと、
常に自分にといかけること。
自分を褒めて育てること。
陰で支えられ、お陰様でといえること。
自分は最悪だけど、他人も最悪なこと。
時間はあげないけど、お金をあげること。
お金はあげないけど、時間をあげること。
夢を大きな声で、言ってしまうこと。
夢も歩けば、近づくこと。

まだまだ、死んでいないということ。